東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の養蚕伝来について

東ローマ帝国の養蚕伝来

東ローマ帝国には6世紀、東方から養蚕技術が伝来した。これにより絹織物産業が発展し、宮廷や外交における重要な資源となった。本ページでは、このあたりの歴史的背景とヨーロッパ文化との関連について詳しく掘り下げていく。

東ローマ帝国(ビザンツ帝国)の養蚕伝来について

東ローマ帝国(ビザンツ帝国)で養蚕が開始された過程を教えてください。

絹は紀元前4千年頃中国で生産が開始され、紀元前1世紀にはシルクロードを通じ、ローマ帝国にも絹織物がもたらされるようになりました。しかし3世紀以降はイラン高原・メソポタミアに興ったササーン朝が障壁となり、うまいこと絹織物が手に入らなくなります。



困った東ローマ皇帝は、2人の僧を中国に送り込み、蚕の幼虫を持ち帰るよう命じました。そして僧らは無事中国から蚕を持ち帰ることに成功し、東ローマ帝国はその蚕を利用し絹の安定生産に成功します。


以降、各地に絹織物工場が建設されるようになり、東ローマ帝国はヨーロッパの絹織物市場を独占することができたのです。東ローマ帝国が滅亡するまで、絹織物産業は東ローマ経済を支える重要産業でありつづけました。