アイスランドにある「地球の裂け目」の正体とは?

アイスランドの”大地の裂け目”シンクヴェトリル

 

アイスランドの国立公園シンクヴェトリル(アイスランド語: Tingvellir)には、各地に「ギャオ」と呼ばれる「地球の裂け目」が存在します。ここではこの「裂け目」の正体や、形成理由、歴史などについて解説しています。

 

 

シンクヴェトリルの正体

シンクヴェトリルは大西洋中央海嶺(ユーラシアプレートと北米プレートの境目)の地上露出部分にあたり、「裂け目」の正体は海嶺が東西に引っ張られる作用で形成された大地の亀裂です。

 

本来「プレートとプレートの境界」というのは海底に存在するため、それが地上で観察できる唯一の場所である、シンクヴェトリルは、地質学的にも非常に重要な場所として知られます。

 

「裂け目」は年間約2cmほどづつ広がっているため、アイスランドは年間少しずつ、引き裂かれるように拡大を続けているということにもなります。

 

シンクヴェトリルの歴史

シンクヴェトリルとは「議会平原」という意味で、これはシンクヴェトリルが「世界最古の近代議会」といわれるアルシング発祥の地であることに由来しています。

 

ノルマン人のアイスランド移住

9世紀頃、ノルウェー王の圧政に耐えかねたノルマン人が、大西洋を越えてアイスランドへ大挙しました。各地に部落が成立した為、やがて全島各地の部落を政治的に統一する場アルシング(全島集会)をこの地に設け、島の法や秩序を定めるようになったのです。

 

絶対王政、身分制議会が当たり前だった中世において、このような民主的な議会は非常に珍しいものであり、その歴史的な重要性から、シンクヴェトリルは世界文化遺産に登録されています。