功利主義と帰結主義の違いとは?

功利主義と帰結主義、これらは倫理学において重要な位置を占める思想です。一見似ているように思えるこれらの概念ですが、実は根本的な違いがあります。それらの違いを理解することは、現代社会における倫理的な判断や行動の指針を考える上で非常に重要です。以下で功利主義と帰結主義の違いについて解説します。

 

 

功利主義とは

功利主義は、18世紀にジェレミー・ベンサムによって提唱された倫理学の理論です。この理論の基本的な考え方は、「最大多数の最大幸福」を目指すことにあります。つまり、ある行動の倫理的価値は、その行動がどれだけ多くの人々に幸福や利益をもたらすかによって決まるとされています。功利主義では、行動の結果が重視され、その結果が多くの人にとって良いものであれば、その行動は倫理的に正しいとされます。この考え方は、社会政策や法律の制定においても影響を与えており、多くの人々の幸福を考慮した決定が求められます。

 

帰結主義とは

一方、帰結主義は、ある行動の倫理的価値を、その行動の結果によってのみ判断する立場です。この点においては功利主義と共通していますが、帰結主義はもっと広い概念です。帰結主義では、行動の結果が良ければその行動は倫理的に正しいとされますが、その「良い結果」とは何かについては、功利主義よりも多様な解釈が可能です。例えば、個人の幸福や満足、社会的な正義、環境保護など、さまざまな価値が考慮され得ます。帰結主義は、結果の良し悪しをどのように評価するかによって、多くの異なる倫理理論に分岐します。

 

功利主義と帰結主義の違い

功利主義と帰結主義の最も大きな違いは、評価の基準にあります。功利主義は「最大多数の最大幸福」という非常に具体的な基準を持っています。これに対して帰結主義は、結果の評価基準がもっと広範で柔軟です。功利主義は、結果が多くの人にとって良いものであれば、その行動は正当化されますが、帰結主義では、その行動がもたらす結果がどのような価値を持つかによって、その正当性が評価されます。このため、帰結主義はより多様な倫理的立場を取り入れることができるのです。

 

まとめとして、功利主義と帰結主義は、いずれも行動の結果を重視する点では共通していますが、その評価基準において大きな違いがあります。功利主義は「最大多数の最大幸福」という明確な基準に基づきますが、帰結主義はより広範な価値観を取り入れることができます。これらの理論を理解することは、倫理的な判断を下す上で非常に重要であり、現代社会における多様な価値観との対話に役立つでしょう。