古代ローマ時代に流通した「ローマガラス」とは?

 

ローマガラス(もしくはローマングラス)とは、前1世紀から4世末までの間にローマ帝国領内で普及していたガラス製品です。前1世紀に吹き技法が発明されたことで、ローマ領内でガラスの大量生産が始まり、日用品としてガラスの器が用いられるようになったのです。

 

ローマガラスの特徴

ヘレニズム時代において主要なガラス産地といえばシリアやエジプトでしたが、前1世紀までにこれらの地域はローマの支配下に入り、その製造技術がローマに取り込まれる中で、ローマガラスは誕生しました。

 

そのためローマガラスの装飾・デザインは、エジプトやギリシアの宗教が色濃く反映されているのが特徴です。一方でカラフルな容器や鳥の装飾などローマ人により加えられた特徴もあります。

 

カメオ・ガラス

またローマガラスの中でも「カメオ・ガラス」と呼ばれる、色ガラスを何層か重ね、ガラスの層を削ることで文様を浮かび上がらせて作られる代物もありました。ひときわの美しさから多くの人々を魅了し、高級品とされていました。