重商主義と保護貿易の違いとは?

重商主義と保護貿易の違い

重商主義と保護貿易はいずれも輸入制限を伴うが性格が異なる。前者は国家の富を増やすための包括的政策で、後者は特定産業の保護を目的とする。本ページでは、ヨーロッパの経済政策や貿易思想、国際関係を理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

重商主義と保護貿易の違いとは?

重商主義と保護貿易にはどのような違いがありますか?

重商主義というのは国家財政を富ませるための政策のことで、保護貿易というのはそれを実現するための手段の1つです。


保護貿易の特徴

保護貿易は貿易差額主義ともいい、17~18世紀のイギリスが積極的に推進した経済政策として有名です。イギリスは国内の産業を保護・育成して、輸出>輸入の状態にすることによる「差額」で富と蓄積していき、イギリス海上帝国の礎を築いたのです。


保護貿易の問題

しかし保護貿易は、国が特定の産業を育成することが前提となるので、国から保護された産業だけが得をし、一部の商人が利益を得る特権階級を生み出してしまいます。


そのため国家の介入を受けて、自由貿易を疎外される商人は当然不平不満を募らせていき、保護貿易の廃止と自由貿易の承認を求めるように。そしてそれは、産業革命をきっかけとして実現することとなり、資本主義経済の成立へと繋がっていくのです。