産業革命は18世紀後半にイギリスで始まり、そのあと西ヨーロッパ諸国に伝播していったそうですが、具体的に伝わっていった順番を教えてください。

産業革命、すなわち社会の工業化が行われた順番は

 

  1. イギリス:18世紀半ばから
  2. ベルギー:1830年の独立後に
  3. フランス:1830年から七月王政下で
  4. アメリカ:1830年代北東部から(本格的には南北戦争終結後)
  5. ドイツ:1840年代ラインラント地方から
  6. ロシア:1860年代の農奴解放以後
  7. 日本:1868年の明治維新以後

 

となります。

 

 

イギリスが18世紀半ば頃から最速で産業革命を達成したのに対し、その他の国が18世紀前半からと大分遅れているのは

 

  • イギリスが1825年まで機械輸出禁止令で、他国への機械輸出や技術者の渡航を禁じていたこと
  • 西ヨーロッパ諸国は市民革命やそれにともなう戦争で政情不安定な状態にあったこと

 

などの要因が挙げられます。

詳細解説:産業革命が起きた国の順番について

産業革命は、18世紀後半から19世紀にかけて、世界の経済や社会に劇的な変化をもたらしました。この時代の変革は、特定の国から始まり、徐々に他の国々に広がっていきました。各国が産業革命を迎えた順番とその背景は、それぞれの国の経済、政治、技術の発展に深く関連しています。以下で、産業革命が起きた国の順番とその背景について解説します。

 

 

イギリス:産業革命の発祥地

産業革命は、18世紀後半のイギリスから始まりました。イギリスでは、石炭と鉄鉱石の豊富な資源、強力な海軍による世界貿易の支配、そして農業革命による余剰労働力の都市への移動が、産業革命の重要な要因となりました。特に繊維産業の機械化は、この革命の象徴的な進展であり、製鉄業や蒸気機関の発明も重要な役割を果たしました。

 

ヨーロッパ大陸への波及

産業革命は、19世紀初頭にヨーロッパ大陸に広がりました。ベルギーはイギリスに次いで産業革命を経験した国で、鉄道建設と繊維産業の発展が目立ちます。フランスでは、政治的な不安定さにも関わらず、鉱業や鉄道が発展しました。ドイツでは、産業革命が遅れて始まりましたが、統一後の国家主導の工業化政策により迅速な発展を遂げました。

 

アメリカ合衆国と日本

19世紀中頃、産業革命はアメリカ合衆国にも波及しました。豊富な自然資源、広大な土地、そして労働者の移民によって、アメリカは急速に工業化を達成しました。また、日本は明治維新後、西洋の技術を積極的に導入し、短期間で工業国へと変貌を遂げました。これらの国々では、国家の積極的な関与が産業革命の進展を促しました。

 

産業革命は、イギリスから始まり、ヨーロッパ、アメリカ、日本へと広がりました。各国での産業革命の進展は、国内の政治的、経済的条件に大きく依存していました。この時代の変革は、今日の世界経済と社会構造の基盤を形成し、現代の技術革新への道を開いたのです。