ベルギー軍の装備や強さ|ヨーロッパの中心で国際協力に特化する軍隊

ベルギー軍の装備や強さ

ベルギー軍の装備や強さは、NATOやEU共同防衛に深く組み込まれている点にある。 戦闘機や装甲車などの近代化を進めつつ国際派遣任務での貢献が大きい。 本ページでは、ベルギーの軍事や安全保障、国際協力などを理解する上で重要なこのテーマについて、より詳しく探っていこうと思う。

ベルギー軍とは

ベルギー軍の紋章


ベルギー軍(ベルギー国防軍)は、ヨーロッパの中心に位置する国を守るとともに、NATOやEUを通じた国際協力を重視する軍隊です。国土の広さや人口から規模は大きくありませんが、その地理的役割から「欧州防衛の交差点」として重要な存在です。この記事では、ベルギー軍の歴史、装備、そして強さを整理してみたいと思います。



ベルギー軍の歴史

ベルギー軍は、ヨーロッパ列強に囲まれた地政学的環境の中で発展してきました。


独立と初期の軍

1830年にベルギーがオランダから独立すると、周囲の列強に対抗するため常備軍を整備しました。以降、ヨーロッパの戦略的通過点として軍事的に重要な役割を担います。


世界大戦での試練

第一次世界大戦ではドイツ軍の侵攻を受け、国土が戦場となりました。第二次世界大戦でも再びドイツに占領され、多大な犠牲を払うことになります。


冷戦と現代

戦後はNATO本部がブリュッセルに置かれたことから、ベルギーはNATOの中心国となりました。現在の軍も自国防衛より、国際協力や集団防衛に比重を置いています。


ベルギー軍の装備

ベルギー軍は規模は小さいものの、NATO標準に準じた近代的な装備を整えています。


陸軍の装備

ベルギー陸軍は戦車を保有しておらず、機動力と火力を兼ね備えた装甲車が主力です。代表的なのはPiranha IIIC装甲車Dingo 2。歩兵はFN SCAR小銃を装備しており、これは自国ベルギーのFNハースタル社製で、世界的に採用されています。


海軍の装備

ベルギー海軍はオランダと緊密に協力しており、艦艇の共同運用や調達を行っています。主力はKarel Doorman級フリゲート(オランダ設計)で、機雷戦能力に特化した艦艇も保有しています。


空軍の装備

ベルギー空軍F-16戦闘機を主力としてきましたが、現在F-35Aステルス戦闘機への更新が進行中です。輸送機C-130Hは段階的にA400Mへ置き換えられています。


ベルギー軍の強さ

ベルギー軍の強さは、兵力の数ではなく「国際協力」と「技術力」にあります。


NATOとEUの中核的役割

ベルギーはNATO本部EU本部を抱える国であり、軍は集団防衛の一部として大きな役割を果たしています。単独での大規模防衛は難しくとも、国際的な安全保障枠組みの要となっています。


技術と兵器産業

FNハースタル社は世界的に有名な兵器メーカーで、FN SCARやP90、MAG機関銃など多くの銃器を開発してきました。小国ながら技術面で国際的に影響力を持っています。


即応性と国際派遣

ベルギー軍はコソボ、アフガニスタン、アフリカなど多くの国際派遣に参加してきました。「規模よりも即応性と国際協力を重視する軍隊」であることが特徴です。


この記事では、ベルギー軍の歴史、装備、そして強さについてご紹介いたしました。ベルギー軍の力は、小規模ながらNATO・EUの中心としての国際協力、世界的な兵器産業、そして即応性に支えられているのです。ヨーロッパの心臓部を守る軍隊として、今後もその重要性は続いていくでしょう。