ノルウェー音楽の特徴と歴史

ノルウェーは、スカンディナビア半島の西側の海岸線に国土をもち、発達したフィヨルドの絶景が有名です。北欧の他の国々と似て、ヴァイキングとサーミの文化の歴史をもち、現在もっとも男女平等が浸透している国としても知られています。ここでは、そんな国の音楽について簡単にまとめます。

 

 

民族音楽

ノルウェーの民族音楽に欠かせない楽器は、おそらく15世紀ごろに成立したと思われる、ハーディングフェーレ と呼ばれる、ヴァイオリンに似た形の楽器です。ヴァイオリンと違う特徴として、弦がガット弦(動物の腸を素材にした弦)であること、共鳴弦が張られていることが挙げられます。

 

それによって柔らかく豊かな響きの音が鳴りますが、チューニングも10通り以上のバリエーションがあり、駒を使って重音を鳴らせるようにすることができます。
ノルウェーの民族舞踊曲や民謡によく登場する特徴的な和音は、この楽器を通して聞くと、よりいっそうその魅力を増します。

 

ノルウェーを代表するロマン派の作曲家グリーグは、自国の民族音楽に強い愛着を抱き、民族楽曲の特色を活かしたノルウェー色の楽曲をたくさん書いています。

 

有名な楽曲

グリーグ『ペール・ギュント組曲「朝」』

名作家イプセンによる戯曲「ペール・ギュント」のためにグリーグが作曲した曲の一部。ハーディングフェーレの音色が曲の雰囲気を決定づけている。

 

マリヤ・モッテンソン『Silpelibjh (銀の雫)』

マリヤ・モッテンソンは南サーミ語のヨイクの歌い手で、この曲は「アナと雪の女王」の映画音楽にもかかわったノルウェーの作曲家フローデ・フェルハイムによる楽曲。