
北海とバルト海に挟まれたデンマークは、実はヨーロッパの中でも動物たちにとって“居心地のいい国”として知られているんです。海、湿地、森といった豊かな自然環境に恵まれ、かわいらしい海の生き物から、のんびり草を食む草食獣まで、さまざまな生きものがのびのび暮らしています。このページでは、そんなデンマークに生きる動物たちの世界をじっくり覗いてみましょう。
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バイキングの国としても知られるデンマークですが、自然環境の豊かさは今も健在です。
なんといっても海岸線の長さが際立っているのがデンマークの特徴。海に面した湿地帯や干潟には、多くの海鳥や海洋哺乳類が集まります。とくにワッデン海は、世界自然遺産にも登録されていて、野生のアザラシやウミドリたちが見られる重要な生態系なんです。
デンマークでは国土の多くが農業地帯として使われている一方で、小規模な森林も点在していて、そのあいだに生息する動物たちが独自の生態系をつくっています。ノウサギやシカが畑を走り、フクロウやキツネが林に潜むような、のどかな風景が広がっているんです。
北ヨーロッパに位置するデンマークでは、春と秋になると何百万羽もの渡り鳥が空を舞います。海を越えてきた鳥たちは、一時的にこの地に立ち寄って羽を休めていきます。干潟や湖沼がこうした鳥たちのオアシスになっているわけですね。
自然と共存してきたデンマーク人にとって、動物は昔からとても身近な存在なんです。
デンマークでは、古くから動物を主役にした民話や神話が語られてきました。海にまつわる話ではアザラシやクジラが人間と交流する話もあり、動物はただの生き物以上に精霊的な存在と見なされてきたんですね。
デンマークは動物福祉の先進国としても知られています。畜産における飼育環境の改善やペットの権利保護といった政策は、他国のモデルになることも多く、社会全体が動物に優しいまなざしを向けているんです。
デンマークの教育現場では、小学校から自然とのふれあいが重視されています。野外活動や動物観察を通じて、動物への理解や責任感を育てる取り組みが行われているんですよ。
デンマークの自然と文化を象徴するような動物たちは、海辺から森の奥までさまざまな場所に暮らしています。ここではその中でもとくに印象深い3種を紹介しましょう。
デンマークのアザラシ
海に囲まれたデンマークでは、ハイイロアザラシやゼニガタアザラシといった種類のアザラシが見られます。とくに北西部のワッデン海沿岸では、潮が引いた干潟にゴロリと寝転ぶアザラシたちの姿が定番風景。保護活動も進んでおり、傷ついたアザラシを救護するリハビリセンターもあります。
北部や内陸の森林地帯では、ノロジカが静かに暮らしています。体は小柄ながら俊敏で、人の気配にはとても敏感。とはいえ、朝夕には草原に姿を現すこともあるので、自然散策中に出会える可能性も。デンマークでは野生動物との距離を大切にしながら、こうした生き物をそっと見守る文化が根づいています。
春になると、ドイツ方面からコウノトリがデンマークに戻ってきます。大きな巣を民家の煙突や塔の上に構える姿は、とてもフォトジェニック。近年は数が減っていましたが、保全活動の結果、再び各地で巣作りが確認されるようになってきました。「赤ちゃんを運ぶ鳥」としても知られるこの鳥は、デンマークの農村風景に欠かせない存在なんです。
このように、デンマークには海も森も空も舞台にして生きる、魅力あふれる動物たちがたくさんいます。人と自然の距離が近いこの国では、動物たちもどこかのんびりと暮らしているように感じられるのです。
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