大航海時代のヨーロッパの貿易とコロンブス交換

 

コロンブス交換とは、大航海時代のヨーロッパ諸国の海外進出と、それにともなう「地球の一体化」によって起こった、世界中の地域における植物、動物、道具、人間などの移動を表す言葉です。1492年のクリストファー・コロンブスの新大陸「発見」が皮切りとなったため、このように呼ばれています。

 

コロンブス交換では、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカの人々が、未知の場所からやってきた物や情報に触れるようになったことで、世界中で生活様式や考え方、政治経済の激変が起こったのです。

 

「コロンブス交換」で交換されたもの

 

ジャガイモ

スペインの南アメリカ征服以降、同地原産のジャガイモがヨーロッパにもたらされ、ヨーロッパ主導の「地球の一体化」により世界中で栽培されるようになりました。寒さに強いことから、北欧では重要な食糧源となった一方で、あまりに食生活をジャガイモに依存するようになったため、不作は大飢饉に直結しました。

 

18世紀頃から、アメリカの先住民インディアンは、スペイン人により持ち込まれた馬を移動や運搬などに重用するようになりました。

 

トマト

イタリア料理といえばトマトを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実はイタリアで食材としてトマトが使われるようになったのは、18世紀以降とかなり最近。新世界からトマトがもたらされたのは16世紀ですが、しばらくは「禁断の果実」と考えられていたため食べられることはなかったのです。

 

鉄器

ヨーロッパ人の入植までインディアンは石器を使用していましたが、ヨーロッパ人が鉄器を持ち込んだことで、槍など武器に利用されるようになり、部族間抗争を激化させました。