北欧神話における「光の神」とは、バルドルやヘイムダルのことをいいます。ここではこれら光の神の特徴や逸話について簡単に解説しています。
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バルドルは、最高神オーディンと、愛と結婚、豊穣の女神フリッグの間に生まれた神です。アイルランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによる『エッダ』では、バルドルは「最も賢明で、美しく光り輝く美貌と白いまつ毛を持ち、雄弁で優しい神」であるとされています。やや優柔不断な面がありつつも、平等で、誰にでも愛されていたようです。
しかし、あるときから悪夢に悩まされるようになります。心配した母フリッグは、世界中のあらゆる生物、無生物に、彼を傷つけないという誓いを立てさせますが、それをおもしろく思わなかったロキは、バルドルの兄弟、ヘズを言葉巧みにそそのかし、バルドルを殺させてしまいます。バルドルの死は世界から光を奪い、ラグナロクの引き金を引くこととなるのです。
ロキにそそのかされたヘズに射られ倒れるバルドル。
北欧神話には、ヘイムダルという光の神もいます。ヘイムダルは「母親たる九人姉妹」から生まれたとされており、この姉妹は「海の波」の神格と考えられています。「波の間から昇る暁光(ぎょうこう)」であるヘイムダルは眠りを必要としませんでした。
そして夜でも100マイル先でも見ることが出来たし、草の伸びるわずかな音でも聞き取れる鋭い耳を持っていたことから、アースガルズの見張り番の役目を担っていました。黄金の角笛ギャラルホルンの持ち主であり、この角笛が鳴らされた時が、ラグナロクの訪れを意味するとも言われています。
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