ペテロとは何をした人?〜初代ローマ教皇〜

 

ペテロの基本情報

 

本名:シメオン・バル・ヨナ
誕生:不明ベツサイダ
死没:67年頃ローマ
在位:30年頃〜67年頃
政策:小アジアやローマでの布教活動

 

ペテロ(生年不明 - 67年頃)は新約聖書に登場するイエスの十二使徒の1人で、初代ローマ教皇とされる人物です。もとはガリラヤの漁夫で、イエスに弟子入りとともに「ペテロ(“岩”の意)」の名を与えられました。その後、小アジアやローマでの布教活動の末、ローマ皇帝ネロの迫害にあって殉教したと伝えられます。

 

そして聖人とされたペテロの埋められた場所には、サン=ピエトロ教会が建てられ、そこがキリスト教の中心地と考えられるようになり、いわゆる教皇領が成立したのです。このような経緯があるため、ペテロが初代教皇としての扱いを受けるようになり、ローマ教皇という地位はペテロの地位を継ぐものと位置づけられるようになりました。

 

ペテロが託された「天国の鍵」とは

ペテロが鍵を託される場面を描いた絵画『聖ペテロへの天国の鍵の授与』/ピエトロ・ペルジーノ作

 

ペテロがローマ・カトリック教会から特に重要視されるのは、彼がイエスから「天国の鍵」を授けられた特別な人物とみられている為です。『マタイによる福音書』によればイエスは「我、天国の鍵を汝に与えん」といい、1つは金で、1つは銀で作られた2個の鍵をペテロに渡したとされ、以来ペテロは「天国の門番」としてカトリックにおいて最高の権威を持つ存在となっているのです。

 

金の鍵は「天国における権威」を、銀の鍵は地上における「教皇の権威」を意味しています。