20世紀、特にその初頭にかけて、日本とロシアの間には緊張関係が存在していました。その一因となっていたのが、ロシアの南下政策です。ロシアが南部地域、特にアジアへの影響力を強化しようとする動きは、日本の植民地拡張政策と直接衝突することになりました。この背景には、両国ともに地政学的な優位性を追求し、特に日本は満州地域とその豊富な資源を手中に収めようとしていました。

 

不凍港の存在は、これらの動きをさらに激化させました。ロシアは冬季でも凍結しない港湾、すなわち不凍港へのアクセスを求めていました。これは、物資の輸送や軍事的な機動力を保つために重要な要素でした。一方、日本もまたアジアにおける海上の支配権を維持するために、不凍港の掌握を重要視していました。

 

これらの対立は、1904年から1905年にかけての日露戦争へとつながりました。日露戦争は、まさにロシアの南下政策と日本の満州への進出という両国の地政学的な野望が衝突した結果であり、その結果日本はロシアを破り、一世を風靡しました。この勝利により、日本は満州地域を事実上の植民地とし、その資源を利用する道を開いたのです。