欧州連合（EU）は、地球温暖化の深刻な問題に取り組むため、その一員である27カ国と共に多岐にわたる戦略を実行しています。以下、その主要な取り組みを詳しく見ていきましょう。

 

 

 

総合的な目標設定

EUは、2050年までにアメリカ、日本など他の主要な経済大国と並び、気候変動に対する「ネットゼロ」（二酸化炭素の排出と吸収が均衡する状態）を達成することを目指しています。このアンビシャスな目標を達成するために、EUは一貫して排出ガス削減、再生可能エネルギーの利用拡大、エネルギー効率の向上といった政策を推進しています。

 

法的な枠組みの整備

EUは気候変動対策を具体化するために、様々な法的な枠組みを整備しています。その一例がドイツやフランスなどのEU加盟国が参加する「EU Emissions Trading System（EU ETS）：EU域内排出量取引制度」です。これは、排出許容量を超える二酸化炭素の排出に対して企業にペナルティを課す一方で、削減に成功した企業にはその分のクレジットを与えるシステムで、市場原理を活用して温室効果ガス排出の削減を進めています。

 

再生可能エネルギーの推進

再生可能エネルギーの導入と利用の拡大は、EUの気候変動対策の核心的な部分をなしています。特に、風力や太陽光発電の普及に力を入れています。これらのエネルギー源は環境負荷が低く、二酸化炭素排出量の削減に直結するため、積極的な導入が進められています。