イヴァン4世とは何をした人?〜ロシア型絶対王政の体現者〜

 

イヴァン4世の基本情報

 

異名:雷帝(グロズヌイ)
誕生:1530年モスクワにて
死没:1584年モスクワにて
王朝:リューリク朝
在位:1547年 - 1584年
政策:ツァーリズムの推進/農奴制の基礎確立/東方進出/リボニア戦争

 

イヴァン4世(1530年-1584年)はモスクワ大公およびロシア皇帝で、その治世では大規模な粛清や恐怖政治を行ったことから、「雷帝(グロズヌイ)」のあだ名で知られる人物です。

 

3歳で即位し、16歳になった1547年、正式にツァーリの称号をとるとともに新政を開始。内政においては、秘密警察オプリチニキを利用した大貴族抑圧策により、ロシア型の絶対王政促進、いわゆるツァーリズムを確立。また農民が土地から離れることを禁じた「禁止年実施令」により農奴制の基礎を作りました。対外的には東方へ進出し、アストラハン・ハン国とカザン・ハン国を勢力圏に組み込み、1558年にはバルト海の支配権を確立するためにリボニア戦争を始めています。

 

イヴァン4世が雷帝と呼ばれる由来

イヴァン4世が雷帝(グローズヌィイ)と呼ばれるのは、彼が気性が荒く、反対派を次々と粛清する恐怖政治を行っていたことに由来しています。イヴァン4世はロシア史上でも最大の暴君とも呼ばれているのです。

 

ただロシア語のグローズヌィイという単語は、残虐な、恐るべき、脅すようなという意味の形容詞であり、本来雷という意味はありません。しかし元になったグロザーという単語には雷雨という意味があるので、その繋がりで畏怖をこめて雷帝と和約されるようになったという背景があります。

 

また他の説としては生まれた日に雷鳴が轟いたことから、という説もありますが、こちらのほうは事実かどうか定かではありません。