北欧神話における「火・炎の神」とは?

アーサー・ラッカムにより描かれた炎神ローゲ(ロキに相当)

 

北欧神話における「火、炎の神」といえば、ロキが該当します。北ここではロキの来歴や逸話についてわかりやすく解説しています。

 

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ロキの来歴

ロキと言えば、北欧神話ではいたずらの神とされ、変身を得意とする邪悪な気質の持ち主としての印象が強くあります。しかし、「Loki(ロキ)」という名前が「炎」という意味を持つ「logi(ローゲ)」に近いことや、ロキが巨人族の血を引くことから「炎の国ムスッペルヘイム」の一員ではないかとする考え方もあり、炎の神としての側面もあるとされています。

 

ロキの逸話

『フィヨルヴィズの歌』という詩によれば、ロキはラグナロクの際、ムスッペルヘイムの巨人スルトが振るった剣、もしくは炎そのものとされる「レーヴァテイン」を創ったと言われています。また、リヒャルト・ワーグナーが作曲したオペラ「ニーベルングの指環」では、ロキに相当するローゲという神が登場し、このキャラクターはロキの火の神としての面を強く意識したものとなっています。

 

巨人スルトとの関係

北欧神話において、炎の国ムスッペルヘイムに棲む巨人スルトも炎を司る存在。スルトは神ではありません。巨人、怪物であり、ラグナロクでは豊穣の神フレイと戦い、倒したと言われています。

 

しかしその際に振るった剣は、一説にはロキが作ったと言われる炎の剣「レーヴァテイン」であり、古くからムスッペルヘイムの入り口を守る役目を担っていたことから、現代の娯楽作品の中には神として登場することもあるようです。