確かにペルシアはギリシアに対して圧倒的な大軍を持っていましたが、ギリシア連合軍に対して陸戦でも海戦でも大敗しています。細かい敗因を挙げればきりがありませんが、「兵士の質で劣っていた」というのが最大の敗因と思われます。
ペルシア軍の主体は徴兵した素人の軽装歩兵であり、いってしまえば数だけしか強みがありませんでした。それに対してギリシア側は厳しい訓練を経験し高額装備で固めた重装歩兵を主体にしていたため、実質的戦力でみれば、むしろペルシアを上回っていたのです。
さらに海軍力の差もペルシアにとっては致命的でした。ギリシア諸ポリスはアテナイをはじめとして海運で栄えた国なので、海上での戦いになれば陸軍国ペルシアに勝ち目はありませんでした。海上覇権をとれなければ、ギリシア征服など夢物語ですので、サラミスの海戦における決定的敗北を受けて、クセルクセス1世は戦意を喪失し、自国に帰還しているのです。
両軍の海軍力の差が如実に現れたサラミスの海戦
|
|
|
|