海の民の正体とは?

紀元前13世紀から前12世紀にかけて、ヒッタイトやミケーネなどの東地中海文明を滅ぼしたとされる「海の民」とは一体何者なのでしょうか?

海の民は、小アジア西海岸とエーゲ海諸島を原住地とする部族・・・とする説が有力ですが、実際にはギリシア、サルデーニャ、シチリアなど様々な地域の出身者を含んでいました。

 

例えば、前13世紀頃からアナトリアやシリアで略奪活動を行っていたペリシテ人は海の民の一派とされています。

 

略奪活動の背景

彼らが東地中海で略奪活動に邁進した理由としては、原住地の飢饉があり、豊かな土地を求めての結果だったのではと考えられています。とりわけ豊かなエジプトは略奪の対象だったので、現在あがっている「海の民の正体」に関する説はエジプトの壁画や碑文に残された記録から推測されたものです。

 

「海の民」と戦う古代エジプトの軍の様子。「デルタの戦い」として知られ、ファラオ葬祭殿の壁に彫られたもの。(Wikipediaより引用)

 

また海の民が原因ともいわれる前1200年のカタストロフの後、エジプトやミケーネに代わり栄えたフェニキアやカナン地方は、海の民の寄留地になっていたのではとする説もありますね。