ポルトガル・スペインが大航海時代の先駆けとなった理由とは?

 

ポルトガルスペインが先駆けとなり、15世紀から大航海時代が始まりました。ポルトガル・スペインはアフリカ、アジア、アメリカ大陸に進出し、多くの領土や富を獲得します。ここではポルトガル・スペインが大航海時代の先駆者になった理由と、何が両国の大航海時代を支えたのかについて解説します。

 

 

ポルトガル・スペインが大航海時代の先駆者になったわけ

大航海時代が始まった15世紀、ポルトガルやスペインは新たな交易ルートを模索していました。当時ヴェネツィアが地中海での貿易で影響力を持っており、地中海の外れに位置するポルトガルやスペインは、地中海貿易の恩恵を得ることができずにいました。ヴェネツィアに対抗するため、大西洋経由で海外進出を果たし、大航海時代が始まります。

 

地理的条件

ポルトガルとスペインは大西洋に面しており、海洋へのアクセスが容易でした。これにより、両国は大西洋を越えて新しい航路を探ることができました。特にポルトガルはアフリカ西岸を南下し、新たな交易ルートを開拓する先駆者となりました。

 

宗教的動機

カトリック教徒であったポルトガルとスペインは、イスラム教徒を駆逐し、新たなキリスト教徒の領土を拡大するという宗教的使命感も持っていました。この宗教的動機が、新たな土地を発見し、そこでキリスト教を広めるという目的を後押ししました。

 

ポルトガル・スペインの大航海時代を支えたもの

当時のポルトガル・スペインでは、国王が大航海時代を後押しします。他のヨーロッパ諸国に先駆け絶対王政を確立し、国王は権力維持に必要な富を求めて、商人の海外進出活動を支援します。その1例がコロンブスです。コロンブスはスペイン女王のイサベルから航海の支援を受けることで、アメリカ大陸の発見に成功しました。

 

絶対王政の確立

ポルトガルとスペインでは、絶対王政が早期に確立されました。これにより、国王が強力な権力を持ち、海外探検と貿易を積極的に推進することができました。国王の支援は、新しい航路を探る探検家たちにとって不可欠なものでした。

 

経済的動機

新たな貿易ルートの開拓により、香辛料、金、銀、その他の貴重な資源を手に入れることができるという経済的な利益も、両国の航海探検を支える大きな要因でした。特に香辛料はヨーロッパで非常に高価で取引されており、その供給源を直接確保することは莫大な富をもたらしました。

 

ルネサンス時代の技術の発展

ルネサンス時代の技術の発展も大航海時代の活動を支えました。羅針盤の発明や造船、武器の技術が向上し、航海術が発達します。また地球球体説をもとに世界地図が作成され、大西洋経由での航路の実現を後押ししました。これにより、探検家たちはより遠くへ、安全に航海することが可能となりました。

 

ポルトガルの功績

ポルトガルは大航海時代の先駆者として、多くの功績を残しました。バルトロメウ・ディアスは1488年に喜望峰を発見し、バスコ・ダ・ガマは1498年にインドに到達しました。これにより、ポルトガルはアジアとの直接貿易を開始し、香辛料貿易で莫大な利益を得ました。さらに、ポルトガルはブラジルを植民地化し、砂糖プランテーションを展開しました。

 

スペインの功績

スペインはコロンブスのアメリカ大陸発見を皮切りに、多くの領土を獲得しました。エルナン・コルテスはアステカ帝国を、フランシスコ・ピサロはインカ帝国を征服し、スペインは大量の金銀を手に入れました。これにより、スペインは16世紀を通じてヨーロッパの最強国となり、その富と権力を背景に「太陽の沈まぬ国」として君臨しました。

 

ポルトガルとスペインは、大航海時代の先駆者として、新たな航路を開拓し、多くの領土と富を獲得しました。これにより、両国はヨーロッパの覇権を握り、世界史において重要な役割を果たしました。彼らの航海探検は、地理的発見だけでなく、経済、政治、文化においても大きな影響を与え、世界の歴史を大きく変えました。