フランスのエネルギー事情と政策方針

フランスのエネルギー事情・政策について情報をまとめています。フランスは石炭・石油・天然ガスなどエネルギー資源は豊富とはいえず、その大部分を輸入で賄っています。発電方法としては原子力発電が主で、火力・水力はそれぞれ1割程度に過ぎません。

 

 

 

フランスのエネルギー資源

石炭

ロレーヌなどで石炭の産出は行われているものの、到底自国エネルギーを賄える規模ではないので、そのほとんどを輸入に依存しています。

 

石油

フランスにける石油の自給率は2%以下で、エネルギー需要の大部分を輸入に依存しています。

 

原発

フランスでは原子力発電が最もさかんで、電力の8割近くは原子力発電によりまかなわれています。そして60基近い原子炉の稼働で莫大な電力を生み出し、近隣諸国への電力輸出や原子力プラントの海外輸出はフランスの基幹産業になっているのです。

 

フランスにおける原子力の歴史

フランスは、原子力発電が主力エネルギーとなっており、総発電量の7割が原子力により補われています。フランスは日本と同様にエネルギー資源が乏しい国。しかし国有企業EDF管理の全56の原子力発電所により、非常に高いエネルギー自給率が維持できているのです。ここではそんな、今やフランス経済に欠かせない存在になっている原子力発電との関わりの歴史を紹介したいと思います。

 

フランスの原子力エネルギーの歴史
フランスの原子力発電との関わりは、他のどの国より早いです。フランス人物理学者アンリ・ベクレルが放射線を発見し、その功績により1903年ノーベル物理学賞を受賞。第二次世界大戦前から核の研究に予算をあて、戦後の1947年には、原子物理学者のジャン・フレデリック・ジョリオ=キュリーが、フランス初の原子炉「ゾエ」の開発に成功しています。

 

原子力発電主体へシフト

原子力発電が生まれても、しばらくは火力発電主体でしたが、1973年の石油危機をうけ、原子力メインの方向性にシフトしていきました。日本と違い地震も少ないので、近郊で原発を稼働することへの反発も日本ほど強くありませんでした。その一方で、近年はエネルギー供給源の多様化と、環境への負担軽減のため、太陽光発電、風力発電、地熱発電といった再生可能エネルギーの開発にも力を入れています。