ラトビアの国土
ヨーロッパの言語というと、英語やフランス語、スペイン語などを真っ先に思い浮かべる人が多いかもしれませんが、バルト地域の小国ラトビア共和国の公用語であるラトビア語にも是非ご注目いただきたいと思います。ラトビア語のユニークな起源と歴史を深堀りしてみると、ヨーロッパ史への興味がいっそう引き立てられると思います。
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ラトビア語はインド・ヨーロッパ語族の言語系統に属し、かつ古代インド・ヨーロッパ語から派生し、紀元前2000年頃に成立したバルト語派に属しています。バルト語派の中でもラトビア語は、古代インド・ヨーロッパ語の特性を色濃く残しており、あらゆるヨーロッパの言語の起源に最も近い存在であるといってもいいでしょう。
一方でラトビア語は、中世初頭までは書き言葉としての記録がほとんど残っていません。この言語は主に口伝で伝えられ、固有の文字体系は存在しなかったのです。16世紀になりようやく、宗教改革の影響でラトビア語の聖書翻訳が始まり、書き言葉としてのラトビア語が発展し始めました。
20世紀に入ると、ラトビアは独立を果たし、ラトビア語は国家の公用語となりました。ソビエト連邦の支配下にあった時期もありましたが、1991年の再独立以降、ラトビア語は国内で広く使われ、教育やメディアでも重要な位置を占めています。
現在のラトビア語は、ラトビア共和国の公用語であり、約130万人のネイティブスピーカーがいます。また、欧州連合(EU)の公用語の一つでもあり、学問の分野でも広く研究されています。
まとめると、ラトビア語はインド・ヨーロッパ語族のバルト語派に属し、古代インド・ヨーロッパ語の特性を最も保守的に保持している言語の一つです。中世まで口伝で伝えられ、16世紀の宗教改革によって書き言葉としての発展を遂げ、20世紀には独立したラトビア共和国の公用語となりました。現在では約130万人のネイティブスピーカーを持ち、EUの公用語の一つとして広く使用されています。その起源と発展を辿ることで、ラトビア語はヨーロッパ言語の多様性と深さを示す貴重な事例となっています。
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