古代ギリシアの三大哲学者とは?

三大哲学者の1人プラトン

 

古代ギリシアで勃興した哲学をギリシア哲学と呼び、ヨーロッパ哲学の源流とされています。メソポタミア文明やエジプト文明といった先進文明に影響を受けながら発展し、古代ギリシア、古代ローマといった古代文明が衰退した後も、その精神は東ローマ帝国へと受け継がれていきました。そんなギリシア哲学が、普遍的な学問体系として開花されるに至ったのは、以下の三人の哲学者による業績によるところが大きい、ということは知っておきましょう。

 

古代ギリシャの三大哲学者
  1. ソクラテス
  2. プラトン
  3. アリストテレス

 

ソクラテス

生年:前470年頃〜紀元前399年頃

 

ソクラテスは、「哲学の父」と呼ばれるアテナイ出身の哲学者です。ソクラテス自身は一切の著作を残さなかったので、彼に関する記録は弟子のプラトンやクセノフォンが残したものに限りますが、無知の知により、真の認識に到達するという考えを持っていました。青少年に悪影響をおよぼすと不敬神の罪に問われ、死刑宣告を受けたのち、自ら毒杯を仰いで生涯を終えますが、その精神は弟子たちに受け継がれ、後世の哲学者に絶大な影響を与えました。

 

プラトン

生年:前427年〜紀元前347年

 

プラトンは、ソクラテスの弟子で、アリストテレスの師にあたる哲学者です。その思想は西洋哲学の源流とされ、『ソクラテスの弁明』や『国家』をはじめ30編もの著作を残しています。元々は政治家を目指していましたが、ソクラテスの不条理な処刑を目の当たりに政治に絶望し、哲学を追求するようになります。そして諸国を旅したのち、前385年頃、アテネにて哲学の学校アカデメイアを開き、哲学研究と教育に力を入れるようになったのです。意外にも青年期にはレスラーとしても活躍していました。

 

アリストテレス

生年:前384年〜前322年頃

 

アリストテレスは、トラキア出身の哲学者で、プラトンの弟子にあたりますが、師の『イデア論』を批判するなど、その思想には強い独自性が見られます。前367年頃アテナイのアカデメイアに入学し、プラトンに師事。諸国を回ったのち、前336年頃、アテナイ郊外にリュケイオンと呼ばれる学校を設立、ペリパトス学派を開きました。哲学の他にも政治学、宇宙論、天体学、文学、自然学(物理学)、論理学、気象学、博物誌学など様々な分野で著作を残し、あらゆる学問体系の基礎を築いた業績から「万学の祖」と呼ばれています。動物に関する体系的な研究に力を注ぎ。人間の本性を「知を愛すること=愛知(フィロソフィア)」と考え、これが現在哲学を意味するフィロソフィア(philosophia)の語源にもなっています。少年時代のアレクサンドロス大王の家庭教師をやったことでも知られます。