ロシア文学の歴史は11世紀頃から始まるとされ、つまり1000年以上の歴史があります。ソビエト連邦時代の文学はソビエト文学と呼んでロシア文学とは区別する場合もあります。
ロシア文学の簡易年表
10世紀
キエフ大公国がギリシア正教を国教に定め、ビザンティンの宗教文献のスラブ語翻訳がロシアにもたらされる。このキエフ文学がロシア文学の萌芽といえ、『オストロミール福音書』は現存する最古の文献。
12世紀
古代ロシア文学の代表的作品である『ロシア年代記』、『イーゴリ遠征物語』が書かれる。
13世紀
ロシア支配の「タタールのくびき」時代が開幕し、キエフ文学の伝統が絶たれてしまう。
15世紀
世紀末にモスクワ大公国の勃興で、「タタールのくびき」に終止符が打たれる。
16世紀
モスクワ内部の宗教的・政治的対立を反映した作品が目立つようになる。
17世紀
「世俗物語」と呼ばれる宗教的要素が薄く、人々の日常生活にフォーカスしたジャンルが流行する。
ロシア文学の有名作品一覧
中世
- 『ロシア年代記』(12世紀初め)
- 『イーゴリ遠征物語』(1185〜1187)
近世
- アバクーム『自伝』(1672〜1675)
- カラムジン『哀れなリーザ』(1792)
- ラジーシチェフ『ペテルブルグからモスクワへの旅』(1790)
近代
- グリボエードフ『知恵の悲しみ』(1824)
- プーシキン『ルスラーンとリュドミーラ』(1820)
- ゴーゴリ『死せる魂』(1842)
- レールモントフ『現代の英雄』(1840)
- ドストエフスキー『罪と罰』(1866)
- トルストイ『戦争と平和』(1863〜69)
- ツルゲーネフ『ルージン』(1856)
- ネクラーソフ、『雷雨』(1859)
- チェーホフ『六号室』(1892)
20世紀
- ブロークの長詩『十二』(1918)
- セラフィモービチ『鉄の流れ』(1924)
- フールマノフ『チャパーエフ』(1923)
- リベジンスキー『一週間』(1922)
- ファデーエフ『壊滅』(1927)
- ピリニャーク『裸の年』(1921)
- イワーノフ『装甲列車14−69号』(1922)
- バーベリ『騎兵隊』(1926)
- イリフ・ペトロフ『黄金の子牛』(1931)
- エレンブルグ『第二の日』(1934)
- トワルドフスキー『遠いかなた』(1958〜1960)
- レオーノフ『ロシアの森』(1953)
- パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』(1957)
- ソルジェニツィン『イワン・デニソビチの一日』(1962)
- オクジャワ『老人』(1978)
- トリーフォノフ『ある時間、ある所』(1981)
- ルイバコフ『アルバート街の子供たち』(1987)
- ビートフ『プーシキン館』(1987)
- ウラジーモフ『忠犬ルスラン』(1989)
- アイトマートフ『一世紀より長い一日』(1980)
- ソルジェニツィン『煉獄にて』(1990)