クリスマス休戦とは、第一次世界大戦中の西部戦線における、1914年12月24日から25日にかけての一時的な停戦状態のことです。英独による膠着状態が続く西部戦線の中でも、主にフランドル地方でみらました。
西部戦線では、遺体の回収や埋葬のため、一時的に停戦すること自体はしばしば行われていましたが、クリスマス休戦では、ピタっと銃声が止んだだけでなく、両軍の兵士が塹壕外に出て、プレゼント交換をしたり歌を謳ったり、サッカー試合まで行っていたというのだから驚きです。
1915年、週刊ニュースマガジン『The Illustrated London News』に掲載された、クリスマス休戦の様子を描いた絵
一方、士気低下に対する危惧や、友人を殺されたことへの恨みからクリスマス休戦をよく思わない人々もいました。そのような考えの者は高官を中心に多かったので、その後英独両軍の指揮官は、勝手な停戦を認めない旨現場に通達し、1915年以降のクリスマスでは上述したような停戦は行われていません。
そしてこのクリスマス休戦は美談として語り継がれがちですが、その後は戦闘が再開され、両軍合わせ100万を超える犠牲者が出たことは忘れてはなりません。
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