君主制から共和制へと移行したポルトガルの政治体制について詳しく見ていきます。その長い歴史の中、レコンキスタ、大航海時代、カーネーション革命といった国内外の激動を経て、現行の独自の政治体制が形成されたのです。その政治史を追うことで、ヨーロッパ政治史への理解もより深まることでしょう。
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ポルトガルの憲法は1976年に制定され、その後数回の改正を経て現在に至っています。この憲法は、民主主義と基本的な人権を保障するとともに、行政、立法、司法の三権分立を定めています。
ポルトガルの国家元首は大統領で、5年ごとの直接選挙によって選ばれます。大統領は主に象徴的な役割を果たし、政治への関与は限定的ですが、立法への拒否権など一部制約的な政治権限も持っています。
行政権は首相と内閣が担当します。首相は大統領によって任命され、内閣とともに政策の立案と実行を行います。そして行政機関は中央政府と地方政府に分けられ、それぞれが責任を持つ範囲が明確に区分けされています。
立法権は一院制の議会、すなわち共和国議会にあります。そして議員は全国の有権者による直接選挙で選ばれます。
ポルトガルでは複数の政党が存在しますが、社会党と社会民主党の二大政党として君臨しています。
司法は独立しており、最高裁判所が最終的な裁定を下します。法律の解釈と適用は司法の役割であり、立法や行政から独立しています。
ポルトガルでは地方自治が尊重されており、自治体は行政の一部を担当しています。また自治体は県と市町村の二段階に分けられています。
ポルトガルの選挙制度は、大統領、議会の議員、および地方政府の代表者を直接選挙で選ぶ形式をとっています。なお選挙権は18歳以上の全市民に保証されています。
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