フランス革命で打破された「アンシャン・レジーム」とは何か

1789年〜1799年の10年間にわたり続いたフランス革命は、フランスの伝統的な社会構造アンシャン・レジーム(旧制度)と呼ばれる体制を根幹から突き崩す結果を招きました。ここではそのアンシャン・レジームとは具体的にどのようなものであったのかを紹介したいと思います。

 

 

 

アンシャン・レジームの特徴

アンシャン・レジームは、フランス語で「Ancien=古い、旧の」と「Regime=体制」が合わさった意味を持ちます。わかりやすくいえば王族・貴族といった、生まれつき「高貴」な人々が社会を支配する、身分制度を柱とした体制のことです。

 

アンシャン・レジームの風刺絵。第三身分の平民が第一身分の聖職者、第二身分の貴族を負ぶっている。

 

とりわけフランスでは中世来、王を頂点とし、第一身分の聖職者、第二身分の貴族、第三身分の平民がおり、人口の9割以上を占める平民のみが重い税負担を強いられる状況が当たり前のように続いていました。

 

揺らぐ身分制

第一・第二身分や王族は特権身分として税を免除され、贅沢な暮らしをしていましたが、フランス王家の力が弱まってくると、その状況をおかしいと声をあげる平民が増えてきます。フランス革命の口火を切ったシェイエスの著書『第三身分とは何か』は、まさにその特権身分を批判するものでした。

 

そしてフランス革命というのは、ルイ16世が財政改革のために招集した三部会で、特権身分に対する課税をするかどうかで、特権身分と第三身分の代表者の対立から発展したもの。アンシャン・レジームはフランス革命の根幹に根ざしているのです

 

アンシャン・レジームの終焉

アンシャン・レジームはフランス王国が成立した10世紀を起源として、16〜17世紀に最盛期を迎えますが、18世紀後半には体制の矛盾・不平等が明るみに出るようになります。

 

まず、第三身分の平民のうち、とりわけ生活苦であった農民は領主からの支配、重税で不満を募らせ、平民のうち、商工業者から成る有産市民層は政治的発言力など実力にふさわしい待遇がないことに不満を感じていきます。

 

これらの不満が頂点に達して起こったのが、自由や平等などの理念を掲げたフランス革命であり、身分制を打倒せんとするこの革命の成功によりアンシャン・レジームは崩壊の運命を辿ることとなったのです。