オスマン帝国が強い理由とは?

オスマン帝国が軍事的に強かった理由は何ですか?

オスマン帝国は世界で最も早く火器装備(大砲・鉄砲)の歩兵常備軍・通称「イェニチェリ」を実戦に投入しました。イェニチェリは14世紀後半、ムラト1世が征服地のキリスト教徒を徴兵することで創設された、皇帝直属の精鋭部隊です。

 

この軍隊は同時代の「寄せ集め」に近いヨーロッパ諸国の軍隊と比較して、高度に組織化されていたのが特徴です。1514年、サファヴィー朝を相手取ったチャルディランの戦いで、最強を謳われた騎馬軍団キジルバシュを撃破したことで、イェニチェリの強さを証明するとともに、騎馬よりも火器の時代に移行したことを印象づけています。

 

武装したイェニチェリ。「ヤタアン」という片刃の刀剣をつけている。

 

また1526年にハンガリーを相手取ったモハーチの戦いでも、大砲装備で固めたイェニチェリは相手の騎士軍団を圧倒。ヨーロッパはオスマン帝国の強さに震撼し、キリスト教世界の存立すら真面目に考えるようになるのです。

 

しかしイェニチェリが強大な力を持つようになると、しだいに政治勢力としてスルタンを脅かすようになったため、1826年マフムート2世により廃止されました。