北欧神話における「冥界の神」とは?

北欧神話における「冥界の神」とは、ヘルのことです。ヘルは氷の国二ヴルヘイムに位置するヘルヘイムで、老衰や疾病など不名誉な死を遂げた死者を支配しています。

 

 

ヘルの来歴

ヘルはロキの娘であり、ラグナロクでオーディンを飲み込んだ怪物フェンリルや、毒蛇の怪物ヨルムンガンドとは兄弟でもあります。オーディンによって冥界、二ヴルヘイムへ送られましたが、その理由としては、半身が青く、半身は人肌の色をしているヘルの容姿がみにくかったからとも、アースガルドにおいて様々な悪事を働いた悪神ロキと、同じく悪の権化と称されたアングルボザという巨人の間に生まれたため、邪悪な子どもとして追放し、後々の災いを防ごうとしたためとも言われています。オーディンはその後、疾病や老衰で死んだ者達や悪人の魂を二ヴルヘイムへ送り込み、ヘルに支配させました。

 

冥府の支配者となってからのヘル

冥府の支配者となってからのヘルには、本人が主役となるような神話はほとんどありません。二ヴルヘイムの一部に自らの名を冠しヘルヘイムと名付け、エーリューズニルという館に住み、淡々と死者たちを治めていたようです。

 

ただし、自分を暗く寒い奥地へ追いやった神々に復讐する機会はうかがっており、地上へ上がるための船ナグルファルを造るため、死人の爪を集めるように使者に命じていました。

 

しかしラグナロクに関する伝承にヘルの名前は登場せず、この船に乗っていたのかどうかも不明なままとなっています。