ドイツ国内の戦争として始まった三十年戦争ですが、プロテスタント国家のデンマーク、スウェーデンの参戦を皮切りに、ヨーロッパ全域を巻きこむ国際戦に発展しています。きっかけこそ宗教対立にあるとはいえ、戦争の拡大により宗教対立よりも、ヨーロッパの覇権を巡る政治的対立の色濃い戦争になっていったのです。
特にフランス(ブルボン家)は、イタリア戦争において神聖ローマ帝国のハプスブルク家と戦って以来、同家のことを激しく嫌っていたことから、三十年戦争をハプスブルク家を倒すいい機会ととらえ、宗教的違いよりも実利を優先し、新教勢力を支援しました。
三十年戦争の大半の期間指導にあたっていたフランス王ルイ13世(在位:1610〜1643年)。国王自身は熱心なカトリックだったが、1635年、プロテスタント側で三十年戦争に介入した。
このフランスの参戦により新教徒勢力は一気に優位に立つことができ、ハプスブルク家領を奪取し勢力を拡大したフランス・ブルボン家は、ハプスブルク家に変わりヨーロッパの盟主としての地位を確固たるものにしたのです。
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