絶対王政の仕組みをわかりやすく解説

絶対王政の仕組み

絶対王政は王権神授説を根拠に、君主が立法・軍事・外交を直接統制する体制である。中央集権化と官僚制度の整備が進んだ。本ページでは、このあたりの歴史的背景と後世への影響について詳しく掘り下げていく。

絶対王政の仕組みをわかりやすく解説

絶対王政とはどのような仕組みで成り立っていたのですか?わかりやすく教えてください!

絶対王政(absolutism)は、絶対主義体制、絶対君主制などともいい、王が絶対的な権力を握っている政治体制のことです。ようするに、国民の声を聞いたり、話し合いなど通さず、課税でも戦争でも何でも王が好き勝手決められてしまうような体制ですね。


中世末期から近世にかけて、封建制の没落にともないヨーロッパ全土で勃興した、主権国家の最初のあり方ともいえ、仕組みを支えるものとして、思想的側面からは王権神授説、制度的側面からは常備軍・官僚制などが挙げられます。


絶対王政を支える3つの柱

 

王権神授説
王権は神からの授かりものであり神聖不可侵とする政治思想のことで、絶対王政を正当化するのに利用されていました。18世紀からの啓蒙思想の広まりで衰退し、18世紀末~19世紀の連鎖する市民革命で完全否定されることになります。


官僚制
国王は完全無欠な人間ではないので、国王を導き・手助けする人が必要です。そのため「官僚制」と呼ばれる貴族出身のエリート集団が王の政治を補佐する体制が確立され、絶対王政維持には欠かせないものになりました。


常備軍
平時から置かれている軍隊のことで、王権の絶対的な基盤として作用しました。


なお常備軍や官僚制を維持するためには莫大なお金が必要なので、絶対王政国家では「重商主義」と呼ばれる国家財政を富ませる経済政策がとられることとなります。


そのため絶対王政の進展とともに、ラテンアメリカなど海外植民地からの金銀の収奪が加速していったのです。