ローマ神話における「海の神」とは?

美の女神ヴィーナスに贈り物をする海の神ネプトゥーヌス(Giovanni Battista Tiepolo作)

 

ローマ神話における「海の神」とは、ネプトゥーヌスのことです。他の多くのローマ神話の神々同様、ネプトゥーヌスの物語も、大部分がギリシア神話の海の神ポセイドーンの流用となっています。

 

 

 

ネプトゥーヌスの来歴

ネプトゥーヌスは、ローマ神話における海の神です。妻は海水の女神、サラーキアとされています。ポセイドンと同一視される前、古代ローマにおいてネプトゥーヌスがどのような神であったかはよく分かっていませんが、河や湖を司る水の神であったのではといわれています。

 

後にギリシア神話のポセイドーンと同一視されたため、特に海の神として崇拝されるようになりました。絵画など芸術作品においては、ポセイドーン同様、三叉槍を用いた姿で描かれます。

 

ネプトゥーヌスの能力

ネプトゥーヌスは、ポセイドーン同様、世界の全大陸を支え、最高神に次ぐ圧倒的な強さを誇っていました。武器である三叉槍※は嵐や津波を引き起こし、大陸を海に沈めるほどのパワーを持ちます。世界そのものを滅ぼさんばかりの大地震を引き起こすことも可能で、神々にも恐れられる存在でした。

 

※三叉槍:巨人族との戦いの際、下級ながら神の資格を持つ巨人から贈られたもの。

 

荒ぶる海洋に重なる粗野で狂暴な性格であったとされるネプトゥーヌスは、様々な戦いに参加し、多くの神話や伝承に登場しています。それらは現在でも、神々をモチーフに扱った映画や書籍でよりくわしく知ることが出来ます。