ファシスト/ファシズム

ファシズムとは、第一次大戦終結から第二次世界大戦終結までの間、ヨーロッパを中心に世界各地でみられた、全体主義的・独裁的・非民主的な政治体制・運動・社会思想のことです。とくにイタリア・ドイツのそれが典型とされ、第二次大戦中、両国の増長にともないヨーロッパ中を蔓延し、ホロコーストや思想弾圧など多くの悲劇を引き起こしました。

 

 

ファシズムの語源

ファッショfascioという語はイタリア語で結束・団結を意味し、古代ローマの儀式用の束桿(そっかん)ファスケスfascesに語源を持ちます。そのためファシズムは日本語では「結束主義」とも呼ぶのです。

 

ファシズムの誕生

ファシズムは、一般にイタリアにおいてムッソリーニ率いるファシスト党が提唱した思想のことを指します。

 

ファシスト党は第一次大戦中、イタリアの参戦を唱えるサンジカリストにより創設された「革命行動ファッシ」を母体として誕生。第一次大戦後からムッソリーニが党を率いるようになり、ソ連台頭で社会主義思想がヨーロッパ中に広がりを見せる中、革命により利権を脅かされることを危惧した資本家・中産階級からの支持を受け、勢力を拡大していきました。

 

ファシズムの特徴

ファシスト党、ファシズム国家の特徴は、わかりやすくいえば全体主義・自由の否定です。具体的には

 

  • 議会政治や出版・言論の自由の否定
  • 反革命を推進
  • 反社会主義・共産主義・ユダヤ主義を推進

 

などが挙げられ、イタリアではファシスト党が政権を握ってからは、上記の思想統制のもと、民族主義や排外主義を煽りながら、対外侵略を推し進めていきました。

 

そして国際社会はファシスト党を強く批判するようになり、「ファシズム」という言葉が独裁・反民主主義・国家主義的な運動や思想、支配体制の総称として広く一般に使われるようになったのです。

 

なおイタリアファシスト政権に続き、世界恐慌にともなう社会不安の中出現したドイツのヒトラー政権(ナチズム)、ポルトガルのサラザール政権、スペインのフランコ政権などもファシズムの一形態とされます。

 

ヨーロッパ史入門『ファシズム』まとめ

  • イタリアのファシスト党が「ファシズム」の起源となった。
  • 世界恐慌にともなう社会不安がファシズムの温床となった。
  • ファシズム勢力によりドイツ、スペインなどで共和政が打倒された。
  • ファシズムが蔓延した国家(イタリア・ドイツなど)では思想・言論・出版の自由が無くなった。
  • 民主主義国家は反社会主義や平和を優先したため、ファシズム国家に強く出れなかった。
  • 「宥和政策」で増長したファシズム国家が対外侵略を推し進めたことで、ヨーロッパは再び世界大戦に突入していった。
 
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