オーストリア語の歴史

オーストリアで話される言語はドイツと同じドイツ語で、オーストリア人の9割が母語として日常的に使用しています。 ただしこの国では同じドイツ語でも、ドイツで主に使われている標準ドイツ語(ハイジャーマン)とは少し相違があるオーストリアドイツ語が使われており、これは南部ドイツ語系の方言と同じものです。

 

 

標準ドイツ語との違い

標準ドイツ語で「こんにちは」は「Guten Tag」を使用しますが、オーストリアドイツ語では「Gruess Gott」を使用するなど、両者では細かい表現の違いがみられます。しかし違いがあるといっても、日本でいえば大阪弁や京都弁のような方言レベルの違いに過ぎないので、オーストリア人とドイツ人は普通に会話が可能です。ただしオーストリアでもテレビやラジオの放送、新聞や教科書などにおいては標準ドイツ語が使用されています。

 

オーストリア語の方言

そもそもドイツ語というのは地方差が大きい言語であり、オーストリア国内でもいくつかの方言が存在します。 首都ウィーンでは「ヴィーナリッシュ(ウィーン訛り)」と呼ばれる二重帝国時代の名残の言語が話されるし、スロベニア人が多い南部では「Windisch」というドイツ語とスロベニア語の混成語が話されています。

 

オーストリア・ドイツ語の成り立ち

18世紀以降、ハプスブルク家による行政改革の一環として、標準語の導入が推し進められた結果、オーストリアドイツ語が成立しました。20世紀になりオーストリア語時点が出版され、正式に標準語としてオーストリア・ドイツ語の形式が定義されています。