ロシア・ツァーリ国の前身の国は?

ロシア・ツァーリ国という名前で呼ばれるロシアの国体は、16世紀から18世紀まで存在し、その間、ヨーロッパとアジアにまたがる広大な領土を支配していました。しかし、このツァーリ国が存在する以前、そこにはどのような国が存在していたのでしょうか?ここでは、ロシア・ツァーリ国の前身となった国について探ってみましょう。

 

 

 

前身はモスクワ大公国

ロシア・ツァーリ国の前身となったのは、現ロシアのモスクワを中心に勢力を築いていたモスクワ大公国です。13世紀から15世紀にかけてのモンゴル帝国の支配から逃れ、自立を果たしたモスクワ大公国は、徐々にその勢力を増していきました。そして、15世紀末には他のルーシの諸公国を統一し、独立した正教の国家として発展を遂げました。

 

ツァーリ国への発展

15世紀後半、タタールのくびきに終止符を打ったモスクワ大公国のイヴァン3世は、ビザンツ皇帝の姪ソフィアを妃に迎えたことを背景に、ツァーリ(皇帝)という称号を初めて名乗るようになります。さらにイヴァン4世(雷帝)の治世の1547年に公式に「全ロシアの支配者」という意味でツァーリという称号を用いるようになり、ここにいわゆるロシア・ツァーリ国が成立したのです。

 

ロシア・ツァーリ国の前身となった国はモスクワ大公国であり、これはルーシの諸公国を統一した国家です。モスクワ大公国はツァーリ国へと発展し、それはロシアの歴史における重要な転換点となりました。モスクワ大公国からツァーリ国へと移行する過程は、ロシアが独自の道を歩み、ヨーロッパの他の国々とは異なる特性を持つ国家となったことを示しています。