ハンガリーは現在のヨーロッパの中央に位置し、アジアとヨーロッパの覇権争いの境界線となってきた歴史のある場所です。ここでは、ハンガリーの音楽の歴史の重要なシーンを少しだけ紹介します。
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17世紀にハンガリーで人気を博したロマ音楽は、その後のハンガリーの音楽に大きな影響を与えました。
特にツィンカ・パンナという女性は、ハンガリーのロマ音楽の第一人者でした。彼女は家族とバンドを組んで演奏活動をしていて、やがて当時の国王や貴族たちの前で演奏するようになりました。
当時の貴族制度が崩壊してからもその音楽はずっと引き継がれていき、テンポが速くにぎやかで、疾走感のある音楽が一つのスタイルとして定着しました。
19世紀以降になると、ハンガリー出身、あるいはハンガリーを訪れた多くの著名な作曲家たちがロマ音楽を組み込んだクラシック音楽を発信し始め、ヨーロッパやアメリカでも大人気となりました。
20世紀のハンガリーの作曲家バルトーク・ベーラ( 1881〜1945年)やコダーイ・ゾルターン(1882〜1967年)は、ハンガリーの農村に古くから伝わる民謡を集め、そこから着想を得た作品も残しています。
ハンガリーは、モンゴルやトルコに近いアジア遊牧民のルーツと、オーストリアやイタリアに近いラテン系のルーツとが混じりあいながら形成されてきたようですが、古い民謡にもその痕跡を見つけることができます。
チャルダッシュは「酒場風」という意味で、ハンガリーの音楽ジャンルの一つ。
ツィゴイネルワイゼンは「ロマの歌」という意味で、ハンガリー民謡や大衆音楽を組み合わせて管弦楽曲としてアレンジされている。
ハンガリー生まれのドイツの作曲家リストが、ハンガリーのロマ音楽に影響されて作曲したピアノの超絶技巧曲で、19曲あり、特に第2番が有名。
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