ローマ神話における「三主神」とは?

ローマ神話における「三主神」とは、最高神であるユーピテルと、その妻ユーノー、さらにこのふたりの娘であるミネルウァを指すのが一般的です。しかしローマ帝国の、1000年以上とも言われる長い歴史の中ではメンバーが違っていたこともあります。ここでは、ローマ神話における「三主神」について解説していきます。

 

 

 

ローマ神話の「三主神」とは

ローマ神話の三主神は、「カピトリヌスの三神」と呼ばれ、イタリアやその周辺の同盟国の小高い場所に作られた、多くの神殿に祀られています。最高神ユーピテルが在籍しているのはもちろんですが、

 

  • 結婚と出産を司るユーピテルの妻ユーノー
  • 医学や商業、工芸、魔術など、広範囲の知識の女神であり、ユーピテルとユーノーの娘ミネルウァ

 

が信仰の対象とされ、「三柱一組の国家神」とも言われています。

 

「カピトリヌスの三神」となる以前の三神

サンドロ・ボッティチェッリ作『ヴィーナスとマルス』。かつてマルスはユピテルに並ぶ三主神の1人だった。

 

長い歴史を持つローマ帝国では、その時々の状況によって、信仰の対象も変わることがあります。「カピトリヌスの三神」の信仰が広まる以前には、ユーピテルとマールス、クゥイリーヌスが三神として信仰されていました。

 

やはり最高神ユーピテルの存在は変わりませんが、マルスは戦と農耕の神、クゥイリーヌスは古代ローマの建国者であるロームルスが神格化された神であるとされています。