ジェノヴァ料理の特徴とは?〜バジルソースで有名〜

ジェノヴァ発祥の調味料ペスト・ジェノヴェーゼ

 

ジェノヴァは、イタリア北西部の、地中海・リグリア海に面するリグーリア州の港町です。中世に海洋都市国家として繁栄し、一時はサルデーニャ島やコルシカ島、クリミア半島をも勢力下に置くほどの海上覇権を築いていました。そのように海港都市として発展してきた背景から、シーフード料理が発達しており、鰯をオイル漬けしたアンチョビ、干したタラを塩漬けにした保存食バカラ、魚介スープのブリッダなどが有名です。

 

 

ペスト・ジェノヴェーゼ(Pesto)

ジェノヴァで生まれた最も有名な郷土料理としては「ペスト・ジェノヴェーゼ」が挙げられます。バジリコ(バジル)、チーズ、すり潰した松の実、オリーブオイルなどを和えて作る調味料で、パンに塗ったり、パスタに絡めたりして食べます。今やジェノヴァだけでなく、イタリア全土で様々な料理に使われる万能調味料ともいえるでしょう。

 

日本ではこのペスト・ジェノヴェーゼを使った料理は、「ジェノヴァ風ピザ」、「ジェノヴァ風パスタ」といったように「ジェノヴァ風◯◯」と呼ばれます。「ジェノバ風ペースト」「ジェノバ風ソース」と呼ばれる調味料も存在しますが、これは単にペスト・ジェノヴェーゼのことを指しています。

 

フォカッチャ(Focaccia)

ジェノヴァのあるリグーリア地方で有名な平たいパンです。リグーリア語ではフガサ(fugassa)と呼びます。食前のおつまみでそのまま食べることもあれば、肉、野菜、チーズなどを挟んでサンドイッチにして食べることもあります。オリーブオイルを練り込んだ生地を平たく伸ばし、表面に穴を開けてから石釜で焼きあげて作ります。

 

パンドルチェ・ジェノヴェーゼ(Pandolce genovese)

ジェノヴァを代表する伝統菓子です。厚めでふっくらした「アルト」と、平たく硬い「バッソ」という2種類に分けられます。小麦粉にイースト(酵母)とバターを練り込み、オレンジピール、オレンジ花水、フェンネルシード、バニラエッセンス、干しぶどう、ナッツなどを加え、ゆっくり発酵させてから焼くのです。発酵菓子は日持ちするので、ジェノヴァが海洋国として名を馳せた時代、船乗りの保存食として重宝されていました。

 

ファリナータ(Farinata)

リグーリア地方で伝統的なファーストフードです。水で溶いたひよこ豆の粉、オリーブオイル、塩を混ぜ、オーブンで焼いて作り、ネギなど具材を入れても美味しいです。前菜やおつまみとして人気。ファリナータはジェノヴァで誕生した料理といわれていますが、西隣の港町サヴォーナも発祥地を主張しています。