ローマの「建国神話」のあらすじ

カエニナ王アクロンの鎧をユピテルに捧げ、勲章「スポリア・オピーマ」を得るローマ建国者ロムルス

 

ローマの「建国神話」とは、古代ローマ建国に至る伝承のことで、代表的なものとしては、「アイネイアースの伝承」や、「ロームルスのローマ建国」などがあります。

 

 

 

「アイネイアースの伝承」とは

アイネイアースは、トロイア王家のアンキーセースと女神ウェヌスを両親とする半神の英雄です。トロイア戦争に身を投じ、トロイアの滅亡後は、新たな居住地を求めて旅に出ます。そして苦難の旅の果て、やがてたどり着いたのがイタリア半島のラティウムだったと言われています。アイネイアースはこの地でさらなる困難を乗り越え、ラウィニウムという都市国家を建設するのです。

 

蒸気の伝承は詩人ウェルギリウスが、叙事詩『アエネーイス』としてまとめています。

 

「ロムルスのローマ建国」とは

アイネイアースの死後、その子孫の巫女レア・シルウィアが、軍神マルスとの間に産んだとされているのがロムルスとレムスという双子です。ロームルスとレムスはラウィニウムの権力争いに巻き込まれ不遇な運命を辿りますが、その後兄弟で反逆者を討ち、自分たちが育ったパラティーノの丘に、新しい都市を作ろうとしました。

 

兄弟喧嘩の末に建国

ところがここで、これまで力を合わせてきた二人は対立してしまいます。最初は平和的な方法で新しい都市の支配権を決めようとしましたが、最終的には戦闘となり、その結果、勝利したのがロームルスでした。

 

その後、ロムルスが作った都市は、ロムルスの名前を取って「ローマ」と呼ばれるようになります。ロムルスは古代ローマ初代王として、七つの丘に城壁を気付いたほか、「元老院」や「軍団」など、後のローマを支える基本制度を多く創設したのです。