奴隷戦争の英雄スパルタクスとは?

ヘルマン・フォーゲルによる第三次奴隷戦争(スパルタクスの乱)を描いた『スパルタクスの最期』(1882年)

 

スパルタクスは古代ローマ時代の奴隷で、最も有名な奴隷戦争であるスパルタクスの反乱(紀元前73年 - 紀元前71年)の指導者でした。彼は元々はトラキア人の兵士で、後に捕虜となりローマの奴隷となりました。スパルタクスは剣闘士として訓練を受けていましたが、他の奴隷たちと共に反乱を起こし、数年間にわたりローマに対抗しました。

 

 

 

彼の反乱は初めは小規模なものでしたが、次第に他の奴隷たちが加わり、反乱軍は大きな勢力となりました。彼らはイタリア全土を行軍し、何度もローマ軍を破りました。一時は7万人以上の奴隷がスパルタクスのもとに集まり、ローマ帝国に対する深刻な脅威となりました。

 

しかし最終的には、スパルタクスと彼の反乱軍は紀元前71年、ローマの将軍クラッススによって鎮圧されました。スパルタクス自身もこの戦いで戦死したとされています。

 

スパルタクスの反乱は、ローマの奴隷制度の厳しさと不公正さを象徴するものとして、後世に大きな影響を与えました。スパルタクスは奴隷たちの自由と人権を求める象徴となり、特に19世紀以降の労働者運動などで広く引用されることとなりました。また、彼の名前は多くの映画や文学作品に取り上げられ、その勇敢さと反抗精神は世界中で称賛されています。