スペインとポルトガルの歴史は、ヨーロッパ史を理解する上で重要な役割を果たしています。そして「レコンキスタ」と「コンキスタドール」は、スペインとポルトガルの歴史を理解する上で「キー」ともいえる用語ですが、それぞれの用語の具体的な意味とその違いについては必ずしも広く理解されているわけではありません。そういうわけで、ここではこれら二つの用語の違いを解説しておきます。
|
|
|
|
「レコンキスタ」は、「再征服」を意味するスペイン語です。8世紀から15世紀にかけて行われた、スペインとポルトガルのキリスト教徒によるイスラム教徒ムーア人からの国土奪還運動を指します。この運動により、「キリスト教国家による、イベリア半島のイスラム支配からの解放」という、その後のヨーロッパ史の行く末を大きく左右する重要な結果に繋がりました。
一方、「コンキスタドール」は「征服者」を意味し、これは15世紀から16世紀にかけて新世界(主にアメリカ大陸)を征服したスペインとポルトガルの探検家を指します。コンキスタドールたちは、新たに発見した土地を征服し、莫大な富や資源を本国にもたらしました。
これらの用語はどちらも「征服」を意味しますが、その対象と時代背景が大きな違いとなっています。「レコンキスタ」はイベリア半島内のムーア人からの奪還を指し、一方「コンキスタドール」は新世界の土地とその住民を征服した探検家たちを指します。したがって、前者はある意味で「内的な」再征服を、後者は「外的な」新たな征服を象徴していると言えますね。
|
|
|
|