スイスの社会問題

スイスは中央に位置する連邦共和制国家です。1291年永久盟約の締結にともない成立した国で、アルプスの大自然・世界遺産にも登録されているベルンの旧市街・国全体ののどかな雰囲気など様々な魅力がある一方で、以下のような社会問題も抱えています。

 

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為替問題

2016年にアメリカ合衆国財務省は、不正な為替介入における監視リストにスイスを加えました。次いで2020年には「為替操作国」に認定しています。スイス国立銀行は「物価安定のために為替市場に介入はしていても、どんな形であれ為替操作には関与していない。」と反論しています。

 

隠し財産問題

スイスは銀行業の歴史が古く、とりわけ守秘義務に関しての徹底ぶりは有名ですが、この徹底ぶりがしばしば批判の対象になっています。この守秘義務を利用した犯罪者や独裁者の隠し財産の保管場所となっている実態があり、スイスは「犯罪者の金庫番」「独裁者の金庫番」などと揶揄されることもあるのです。当然富裕者の脱税にも利用され、スイスリークス事件発覚以降、スイス政府は対策に動いていますが、利用者の権利とのバランスには苦慮しているようです。

 

移民問題

スイスは中世からのさかんな民族移動の結果成立した、イタリア系、ドイツ系、スラブ系など様々な民族が暮らす多民族国家です。その成り立ちから移民受け入れにも寛容なほうですが、やはり一定の反発は存在し、2014年には「大量移民反対イニシアチブ」によって移民制限を強化しています。