ギリシャ神話における「鳥の怪物」とは?

 

ギリシア神話には、「ハルピュイア」と呼ばれる、顔は人間の女性ですが、翼を持ち、身体は鳥の姿という怪物がいます。ここでは「ハーピー」の名でも知られる、この伝説上の生物について解説していきます。

 

 

 

ハルピュイアの特徴

ハルピュイアは青白く不健康そうな顔、鋭いかぎ爪を持つ、お世辞にも美しいとはいえない見た目をしています。常に空腹であり、視界に入った食べ物を全て食べてしまう様子から「むしり取る」という意味で、「ハルピュイア」と名づけられたといいます。

 

創作では「ハーピー」というと美しく可憐な鳥の精として描かれることも多いですが、ギリシア神話では、それとはほど遠い、不気味な身体、独特な悪臭、耳障りな声を持つおぞましい存在とされているのです。

 

ハルピュイアの逸話

ハルピュイアは地下で「ハーデース」と呼ばれる冥府の神に仕えていましたが、ある日、ピーネウスという予言者への処罰を命じられます。ピーネウスは沢山の人に予言を与えたため、沢山の神の怒りを買っていたためです。

 

処罰といっても、ハルピュイアが行ったのは、ピーネウスの食事を勝手に食べ、食べ残しすら汚して帰るという、「嫌がらせ」に近いものでした。