古代ギリシアはどこで栄えていたの?

古代ギリシア文明が栄えたバルカン半島南端

 

古代ギリシアは地中海東部、アドリア海・エーゲ海・黒海に囲まれた、バルカン半島南端地域で繁栄した古代(太古から古代ローマに占領される時代以前)の文明圏のことです。ポリス(都市国家)と呼ばれる自治独立を理想とする政治共同体が100以上も集まって形成され、ヨーロッパ文明の礎ともいえる独自の神話・哲学・学問・国家体制などが生み出されました。

 

古代ギリシアの繁栄

古代ギリシアの繁栄はエーゲ文明と呼ばれる紀元前3000年頃のエーゲ海地域での文明開化から始まり、前1200年のカタストロフによる暗黒時代を経て、前10~8世紀頃からポリスの形成により再び繁栄を始めます。

 

ギリシア本土の気候は乾燥しており、平地や大河にも恵まれないため、ギリシア人は海外に進出し植民地を形成、地中海交易により経済を発展させていきました。前9世紀から8世紀頃に王政が衰退して貴族制が成立し、前5世紀のペルシア戦争を経て、民主政治が発展していきました。前5世紀から4世紀にかけてはポリス社会の繁栄は頂点に達し、古典文化の隆盛が見られました。

 

古代ギリシアの衰退

しかしポリス同士で抗争を繰り広げた結果、前4世紀以降ポリス社会は衰退していき、マケドニア王国に支配権を握られるようになり、さらに前2世紀後半にはギリシャ全体がローマの属州と化して、ポリス社会は終焉を迎えました。

 

しかしギリシア文化自体は生き残り、エジプトや小アジアとの文化の混合によりヘレニズム文化が発展。ギリシャを支配したローマも、優れたギリシャ文化の保護と発展に努めたことで、ローマ帝国滅亡後もヘレニズムの伝統は残り、キリスト教と融合したビザンティン文化の誕生に繋がったのです。