ポルトガルの社会問題

ポルトガルは西南ヨーロッパ・イベリア半島西端に位置する共和制国家です。1139年アフォンソ1世によるポルトガル王即位にともない成立した国で、大航海時代の風を感じる首都リスボン・白壁の家並みが美しい「谷間の真珠」オピドス・風光明媚な漁村ナザレなど様々な魅力がある一方で、以下のような社会問題も抱えています。

 

 

政治問題

ポルトガルでは1933年から1974年にかけて「エスタド・ノヴォ」と呼ばれる保守反動的な独裁体制が敷かれていました。この体制下では国民にナショナリズムとカトリック信仰が強要され、言論や政治活動の自由は抑圧されていました。現在の自由が保障されたポルトガル政体は「ポルトガル第三共和政」といい、カーネーション革命によるエスタド・ノヴォ崩壊にともない成立したものです。

 

経済問題

ポルトガルは75年、資源の宝庫たる植民地を一挙喪失して以来、慢性的な経済不況に悩まされており、母国の生活苦から逃れるためにモザンビークなど旧植民地に移住するポルトガル人も珍しくありません。

 

治安問題

ポルトガルの治安はヨーロッパ諸国の中では比較的高いほうですが、首都圏ではスリや置き引き、ひったくり・ぼったくりといった一般犯罪が珍しくないので、滞在する場合最低限の防犯対策をしておく必要はあります。

 

人権問題

欧州委員会の2019年の調査によれば、ポルトガル人はアジア人に対して、EU諸国平均より高い割合で差別意識を持っていることがわかりました。