ヒュプノスのそばで眠るアリアドネ(ポンペイのフレスコ画)Wikipediaより引用
ギリシア神話における眠りの神とは、夜の女神であるニュクスの息子、ヒュプノスのことです。ヒュプノスは死を司る非情なタナトスやモロスと兄弟ですが、その性格はとても穏やかで優しいとされています。
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ヒュプノスは兄、タナトスとともに、普段は冥界の宮殿に住んでいます。そして時が来ると、地上に夜をもたらす母ニュクスに付き従って、人々のもと訪れ、木の枝で額に触れたり、ケシの花を地上に注ぎ、眠りへと誘って回るとされています。
ヒュプノスは兄のタナトスやモロスとは違い、人間に安らぎを与える、温厚で情け深い神とされていますが、ギリシア神話における眠りとは死に限りなく近い場所・・・最後の眠りにあるとされています。
そのためヒュプノスは死神としての側面もあるとされているのです。しかしヒュプノスのもたらす死は、冷酷な死神とされるタナトスがもたらすそれとは違い、眠るように安らかであると言われています。
ヒュプノスはゼウスの妻へーラーの依頼で、最高神ゼウスを二度も眠らせることに成功しています。そして2度目に眠らせた時、その返礼としてへーラーより「美と優雅を司る女神」パーテシアーを妻としてもらっています。
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