産業革命の原動力となった力織機
産業革命とは18世紀後半から19世紀前半にかけて起こった、重工業や電力、内燃機関などの技術革新にともなう産業変革のことです。最初はイギリスで起こり、その後ヨーロッパ諸国や日本が後を追うように産業革命を達成していきました。
発端は1785年頃からワットが発明した蒸気機関が導入されたことでした。動力として動物の筋力、水力、風力の代わりに機械が導入され、工場の立地条件の制約を受けない大量生産が可能になったのです。
主要貿易品の毛織物の繊維工業部門から始まり、鉄工業、機械工業、石炭鉱業に波及。鉄道や船などの動力にも蒸気機関が導入され、交通革命も引き起こしました。
世界でイギリスが最も早く産業革命を達成できた理由としては、以下複数の条件をイギリスが満たしていたためです。
産業革命によりイギリスは、農業社会からの工業社会に一変しました。そしてマンチェスター、リバプール、バーミンガムなどの新興都市が誕生し、発展途上だった近代資本主義経済も確立するなど、経済・社会構造にも大変革が起こったのです。
しかしいい面ばかりではなく、工業社会への急激な転換は、労働問題、人口の都市への集中、小生産者、職人層の没落などを引き起こしました。こうした負の面も合わせて文明史に残る大変革が産業革命だといえます。
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