アルキタスとは何をした人?〜蒸気ジェットを発明〜

 

アルキタスの基本情報

 

地位:ストラテゴス(将軍)
職業:政治家・数学者・機械技術者
統治:ターレス(現ターラント)
誕生:前428年
死没:前347年
功績:数学を機械学(力学)に初めて応用

 

アルキタス(前428年 - 前347年)は古代ギリシアの政治家で、イタリア植民市ターレス(現ターラント)において任期制限を破ってストラテゴス(将軍)を7年もつとめた人物です。数学者や機械技術者としての顔を持ち、数学を機械学(力学)に初めて応用し、「鳩」と命名された蒸気ジェットで自走飛行する機械を発明したことでも知られます。この「鳩」は200mも飛行することができたそうで、当時としては非常に先進的な発明品でした。

 

アルキタスの鳩ロボット

アルキタスについての伝説に、自走式の飛行ロボットを発明していた、というものがありますこれはアルキタスよりも5世紀も後の著作家アウルス・ゲッリウスが述べていることで、アルキタス自身が書いた著作も現存しておらず、ましてや現物が残っているわけではないので、確かな証拠はありません。

 

しかしアルキタスにより「鳩」と名付けられたその機械は、蒸気ジェットにより約200mも飛んだというのです。アルキタスは優秀な数学者であり、数学を機械学に応用した最初の人物といわれており、鳩はその成果物であった可能性はあります。

 

鳩型自走ロボットは以下のような特徴を持っていたといいます。

 

  • 中は空洞の円筒形
  • 左右に翼
  • 後部には尾羽
  • 先端は嘴のように尖っている
  • 蒸気の圧力により推進

 

個人的な意見になりますが、紀元前5世〜4世紀の段階で、産業革命の原動力となった蒸気機関に限りなく近い機械が作られていたとすれば、古代ギリシア文明の先進性にただただ驚くばかりです。