ポリュビオスの盟友スキピオ
ポリュビオスの基本情報
生誕:前204年頃メガロポリス
死没:前125年頃
民族:ギリシア人
提唱:政体循環論
主著:『歴史』
ポリュビオス(前204年頃 - 前125年頃)は古代ギリシアの歴史家で、第二次ポエニ戦争終結から第三次マケドニア戦争までを主題にした『歴史』の著者および「政体循環論」の提唱者として知られています。冷静で客観的な歴史観から、同時代の歴史家の中でも高く評価される人物です。ペロポネソス半島アカイアの都市メガロポリス出身。
第三次ポエニ戦争後、アカイア同盟の人質としてローマに渡り、そこで家庭教師を担当した小スキピオと親交を結びます。その後スキピオとともにポエニ戦争に従軍した後、前146年アカイアに戻り執筆活動に専念するようになりました。
ローマの地中海世界制覇までの過程を記録した『歴史』を執筆し、その中で君主制→専制政治→貴族制→寡頭制→民主制→衆愚政治→君主制・・・といったように「政体は歴史的に循環する」とする理論『政体循環論』を提唱したのです。この『歴史』は全40巻からなり、最初の5巻が完全な形で、残りの巻は断片として現存しています。
『歴史』は主にポエニ戦争を扱ったポリュビオスの代表作で、戦争中、反ローマの陰謀の疑いをかけられ捕虜となりローマで過ごした経験を活かし、カルタゴ滅亡までの顛末を記しています。
全39巻ありましたが、現存するのは第一次〜第二次ポエニ戦争を主題とした最初の5巻で、断片しか残っていない30巻以降に関しては、第三次ポエニ戦争や第三次マケドニア戦争などについても記録されています。
ポリュビオスは『歴史』の中で、政体循環論という、「国家の政治体制は君主政→暴君政→貴族政→寡頭政→民主政→衆愚政→君主政という循環を繰り返す」という独自の歴史観を唱えています。
実際ポリュビオスの死後、ローマは共和政を捨て、帝政という王政以来の事実上の君主制に戻っていることから、彼の説がかなり的を得ていたことが証明されたことになります。
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