古代ローマの帝政はいつ始まる?

 

古代ローマ帝政時代とは、古代ローマ史における後半から開始された、「皇帝が集中的に権力を握っていた君主制時代」のことです。帝政時代は古代ローマが「パックス・ロマーナ(ローマによる平和)」と呼ばれる空前の繁栄を享受した時代であると当時に、衰退し、混乱の末領土が割れ、滅亡に至った時代でもあります。

 

帝政の開始

ローマ共和政末期に、内乱を収め地中海世界を統一したアウグストゥスが、紀元前27年にプリンキパトゥス(元首政)を確立したことで成立しました。帝国の衰退は2世紀末から始まり、3世紀に入ると「3世紀の危機」と呼ばれる無政府状態に陥ります。ディオクレティアヌス(在位:284年〜305年)がドミナトゥス(専制君主制)を展開し、混乱を何とか収拾したものの、4世紀から始まるゲルマン民族の侵入により社会は再び混乱状態に陥り、社会の実権が徐々にゲルマン人に握られていきました。

 

帝政の終焉

そして5世紀後半にはゲルマン人の傭兵隊長オドアケルにより、西ローマ皇帝が廃位に追い込まれ、西ヨーロッパの地からローマ帝国は姿を消したのです。なお東方の東ローマ帝国に関してはゲルマン民族の影響をさほど受けずに、西ローマ滅亡後も1000年存続していますが、1453年オスマン帝国に攻め入られ滅亡しています。