ロマン主義と自然主義の違いとは?

文化と思想の流れは、社会や時代の変遷と共に変化し続けます。その中で、ロマン主義自然主義は、19世紀に大きな影響を与えた二つの重要な運動ですが、それぞれの特徴と目指したものは大きく異なります。この記事では、ロマン主義と自然主義の違いについて解説します。

 

 

 

 

ロマン主義の特徴

ロマン主義は18世紀後半から19世紀初頭にかけて、フランスを中心に広がった芸術・文化の運動で、啓蒙思想がもたらした理性と科学に対する反動として生まれました。ロマン主義では、感情、想像力、個人の経験などを重視し、自然や神秘的なものに対する賛美が見られます。

 

自然主義の特徴

自然主義は、19世紀後半にこれまたフランスで生まれ、科学的・社会的な視点から人間や社会を描こうとしました。これは、人間の行動や状況が遺伝や環境によって大きく影響されるという考え方を取り入れています。従って、自然主義の作品では社会の厳しい現実や人間の欲望がリアルに描かれます。

 

なお、自然主義が盛んになった19世紀後半は、産業革命が進み、都市化や科学技術の進歩が顕著だった時期でもあります。これらの社会変動が、自然主義の台頭に影響を与えたと考えられます。

 

まとめると、ロマン主義は感情や個人の経験、自然への賛美を重視したのに対し、自然主義は科学的視点から人間や社会をリアルに描き出すことを重視したと言えます。そして、それぞれの運動は、その時代の社会状況や価値観を反映しています。

 

この記事の情報ソース:The rise of naturalism, University of Chicago Press, 2012)